SSNのカードをなくすと大変。人生で10回しか再発行できない米国の身分証事情
皆さん、こんにちは。今日は米国生活で絶対に必要となる「ソーシャル・セキュリティー・ナンバー(SSN)」について、私の失敗談を交えてお話しします。
2006年、ボストンの大学に留学していた私。学生ビザで渡米した私は、すぐにキャンパス内のアルバイトを始めるためSSNを申請しました。窓口で「大切に保管するように」と言われたものの、当時は「ただの身分証明書でしょ」くらいに考えていました。
卒業後、日本に帰国する際、引っ越しの荷造りで部屋を片付けている時に「このカードはもう使わないだろう」と思い、特別な管理もせずに他の書類と一緒に箱に入れました。その後、実家の押し入れの奥深くにしまわれたその箱は、やがて行方不明に…。
「まぁ、二度と使わないだろうし」と思っていたのですが、人生に予測不可能なことが起きるものです。なんと4年後、会社の駐在員としてニューヨークに赴任することになったのです。「自分はもうSSN持っているから大丈夫」と高をくくっていた私は、カード自体が見つからないことに気づき、焦り始めました…
SSNとは?
ソーシャル・セキュリティー・ナンバー(SSN)は、アメリカの社会保障番号です。就労、納税、銀行口座開設、クレジットカード申請など、米国での生活のあらゆる場面で必要となる9桁の番号です。番号自体は一生変わりませんが、カードの再発行には制限があります。
「カードなくしただけだから大丈夫でしょ」という甘い考え
アメリカに駐在することが決まった時、「SSNはもう持っているから、手続きは簡単だろう」と思っていました。番号は覚えていましたし、カードさえなくても問題ないだろうと高をくくっていたのです。
しかし、銀行口座の開設、クレジットカードの申請、そして車のローンを組む際、「SSNカードを見せてください」と言われることが何度も。番号を言うだけでは信用してもらえないケースが多かったのです。
やむを得ず、SSN再発行の手続きをすることにしました。そして、ソーシャル・セキュリティー・オフィスで驚きの事実を知ることになります。
知らなかった衝撃の事実
SSNカードの再発行は、年に3回まで、生涯で10回までという制限があります。これはテロ防止と身分証明書の不正使用を防ぐための「Intelligence Reform and Terrorism Prevention Act (IRTPA) of 2004」に基づいています。
面倒くさかったSSNカード再発行手続き
SSNオフィスは平日の9時から16時までしか開いておらず、予約なしでは長時間待たされることもあります。私の場合、ランチタイムに行ったところ、2時間近く待つことになりました。
また、再発行には身分証明書が必要です。私の場合はパスポートと駐在員のビザで対応できましたが、書類に不備があると再訪問を求められることも。
申請後、カードが届くまで約2〜3週間かかります。この間、SSNカードが必要な手続きは全て保留にせざるを得ませんでした。
- Form SS-5(申請書)を記入する
- 身分証明書を用意する(パスポート、運転免許証など)
- 移民ステータスを証明する書類(ビザなど)を用意する
- 最寄りのSocial Security Officeに行く(予約をお勧め)
- 申請書と証明書類を提出
- 2〜3週間待って、郵送されてくるカードを受け取る
※状況によってはオンラインでの申請も可能ですが、移民ビザ保持者など一部の方は直接訪問が必要です。
生涯10回の制限って本当?
再発行手続きをしている時、係の方から「生涯で10回までしか再発行できない」と言われて本当に驚きました。「そんなに再発行するような人がいるの?」と思うかもしれませんが、長く米国に住んでいると、引っ越しの際の紛失や、財布の盗難などで意外と再発行が必要になることがあります。
特に子どもがいる家庭では注意が必要です。子どものSSNカードも同じく制限があるため、子どもの頃に親が何度も再発行すると、大人になってからの制限に影響します。
制限の例外
以下の場合は、10回の制限にカウントされません:
- 法的な名前変更(結婚・離婚など)
- 移民ステータスの変更
- その他やむを得ない状況(Social Security Administrationが認めた場合)
SSNカードの大切な保管方法
この経験から、私はSSNカードの保管方法を見直しました。現在は以下のように管理しています:
- カードは財布に入れず、自宅の金庫や安全な場所に保管
- 番号はしっかり暗記し、必要な時だけカードを持ち出す
- カードのコピーを取り、別の安全な場所に保管(ただし悪用されないよう注意)
- デジタル写真も暗号化して保存(必要な時にすぐアクセスできるように)
- 家族全員のSSNカードをまとめて管理し、紛失しないよう細心の注意を払う
- 財布やスマホケースに常に入れておく
- デスクやリビングなど人目につく場所に置く
- 暗号化されていないスマホ内に画像保存
- メールやクラウドに保護なしでアップロード
- 番号を暗記せず、いつもカードを持ち歩く
10回再発行した後はどうなる?
実は、10回の制限を超えた場合でも、特別な事情があれば例外的に再発行してもらえる可能性があります。ただし、その場合は「やむを得ない事情」を証明する追加書類が必要で、手続きはより複雑になります。
SSA(Social Security Administration)のガイドラインによれば、重大な困難や不便(significant hardship)が証明できれば検討されるとのことですが、基本的には10回という制限を守ることが期待されています。
まとめ:他人事と思わずに今から対策を
私のように「まさか自分が再発行することになるとは」と思っていても、米国生活が長くなるにつれて予想外のことは起こります。駐在員や長期滞在者、永住者の方々は、SSNカードの大切さと再発行制限を理解し、しっかりと管理することをお勧めします。
特に家族で米国に住んでいる方は、子どものSSNカードも大人と同じく重要な書類です。「子どもだから」と安易に管理せず、大人になってからの制限に影響しないよう注意しましょう。
皆さんは、SSNカードの管理、どうしていますか?もしよい方法があれば、コメント欄でシェアしてくださいね。
- SSNカードは生涯10回までしか再発行できない
- 安全な場所に保管し、日常的に持ち歩かない
- 番号自体は暗記しておく(多くの場面では番号だけで十分)
- 子どものSSNカードも同様に大切に管理する
- 再発行が必要になったら、必要書類をすべて揃えてから申請する
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