【DIY】アメリカで見つけた車カスタムの秘密兵器!
Plasti Dipでエンブレムを簡単ブラックアウト
左:通常のクロームエンブレム、右:Plasti Dipでブラックアウトしたエンブレム
はじめに:アメリカで出会った「魔法のスプレー」
皆さん、こんにちは!ニューヨークに駐在して4年目になります。アメリカに来て驚いたことはたくさんありますが、特に「DIY文化」の根付き方には本当に感心させられます。日本では専門店に頼むようなことも、こちらでは「自分でやる」のが当たり前。そんな中で出会った「Plasti Dip(プラスティディップ)」というアイテムについて、今日はご紹介します。
特に車好きの方なら絶対に知っておくべき、このアメリカ生まれの「魔法のスプレー」。私の愛車のエンブレムをオシャレなマットブラックにカスタマイズした体験をもとに、その魅力をお伝えします。しかも、プロに頼むと数万円かかる作業が、たった2,000円程度で済むんです!
Plasti Dipとは
Plasti Dipとは、簡単に言うと「剥がせる塗料」です。もともとは工具のグリップ部分などに使われていた液状ゴムコーティング剤でしたが、車のホイールやエンブレムの塗装にも使われるようになりました。
Plasti Dipのスプレー缶(マットブラック)
Plasti Dipの主な特徴
- 塗装後に剥がすことができる(後戻りが可能)
- 下地にダメージを与えない
- 耐久性があり、適切に施工すれば3年程度持続
- 耐熱性・耐水性に優れている
- UVカット効果や塩害対策にもなる
- スプレーで簡単に施工できる
アメリカでは、特に若い世代を中心に大流行。YouTubeでも「Plasti Dip」の動画が無数にあります。日本でもじわじわと人気が出てきていますが、まだメジャーではないかもしれませんね。
エンブレムブラックアウトの魅力
車のエンブレムをブラックアウト(黒く塗装)すると、こんなメリットがあります:
- スタイリッシュで洗練された外観になる
- メーカーロゴが控えめになり、全体のデザインが引き締まる
- 他車との差別化ができる
- クロームメッキでは反射して目立つエンブレムが落ち着いた印象に
- カーボン調パーツなど他のカスタムとの相性が良い
必要な道具・材料
まずは準備するものをご紹介します。すべて近所のホームデポやオートゾーンで簡単に手に入りますよ。日本ではAmazonや楽天市場でも購入可能です。
Plasti Dip施工に必要な道具一式
アイテム | 用途 | 価格目安(米国) | 価格目安(日本) |
---|---|---|---|
Plasti Dipスプレー(マットブラック) | エンブレムの塗装 | $7〜10 | 3,000〜4,000円 |
マスキングテープ | エンブレム周辺の保護 | $4〜6 | 500〜800円 |
新聞紙またはマスキングシート | 広範囲の保護 | $2〜3 | 300〜500円 |
カーシャンプー | 事前の洗浄 | $5〜8 | 800〜1,500円 |
イソプロピルアルコール | 脱脂・クリーニング | $3〜4 | 500〜800円 |
マイクロファイバークロス | 清掃用 | $5〜8 | 500〜1,000円 |
つまようじまたは歯ブラシ | 細部の作業用 | $1程度 | 100〜200円 |
使い捨て手袋 | 手の保護 | $3〜5 | 300〜500円 |
合計 | 約$25〜40 | 約5,000〜8,000円 |
日本での購入について
日本では、Plasti Dipは「プラスティディップ」という名前で、Amazonや楽天市場で購入できます。価格は3,000円〜4,000円程度。また、カー用品専門店でも取り扱っている場合があります。
施工手順:初心者でも失敗しない方法
STEP 1: 下準備
まずは愛車をしっかり洗車しましょう。特にエンブレム周辺は念入りに。汚れや油分が残っていると、Plasti Dipの密着が悪くなります。
アメリカンTips
洗車後、エンブレム周辺をイソプロピルアルコール(IPA)で拭くと脱脂効果があり、密着性が向上します。アメリカではどの家庭にもあるアイテムですが、日本では「消毒用アルコール」で代用可能です。
STEP 2: マスキング
エンブレムの周囲にマスキングテープを貼ります。ここがポイントで、エンブレムから最低でも2〜3cm程度の余裕を持たせましょう。これが後のPeeling(剥がし)作業を楽にします。
失敗しないコツ
エンブレムぎりぎりでマスキングすると、後で剥がす際に失敗しやすいです。最初は「広め」のマスキングをおすすめします。
STEP 3: Plasti Dipの準備
スプレー缶を使う前に、しっかり振ってください(最低1分程度)。冷たい日は、スプレー缶を温めの湯に5分ほど浸すとムラなく吹き付けられます。
アメリカンTips
多くのアメリカ人は「スプレー缶をお湯で暖める」というテクニックを使います。これにより塗料の粘度が下がり、よりスムーズな仕上がりになります。特に寒い季節には必須テクニックです!
STEP 4: スプレーの吹き付け
ここからが本番です。以下のポイントを守りましょう:
- 距離:エンブレムから20〜25cm離す
- スプレーの角度:常に左右に動かしながら均一に
- レイヤー:最低4〜6回の薄い層を重ねる
- 乾燥時間:各層の間に10分程度の乾燥時間を設ける
Plasti Dipを塗装している様子
初心者がやりがちな失敗
一度にたくさん吹き付けようとすると「たれ」の原因になります。「薄く何度も」が鉄則です。
STEP 5: 乾燥と剥がし
最後の層を吹き付けてから、最低30分(できれば1時間以上)乾燥させます。完全に乾いたら、マスキングテープの端からゆっくりと剥がしていきます。
エンブレムの周りに広めにスプレーしたPlasti Dipは、指や爪で端から剥がせます。エンブレムの細かい部分は、つまようじや歯ブラシなどを使うと綺麗に仕上がります。
余分なPlasti Dipを剥がして仕上げる様子
トラブルシューティング:失敗した時の対処法
失敗しても大丈夫。Plasti Dipの最大の魅力は「やり直しがきく」ことです。
よくあるトラブル1:塗りムラができた
解決策: 完全に乾いてから、もう一度すべて剥がして最初からやり直しましょう。または、ムラがある部分だけにもう1〜2層吹き付けることも可能です。
よくあるトラブル2:エンブレムの細部まで剥がれない
解決策: つまようじや歯ブラシの先を使って優しくこすると取れます。それでも取れない場合は、「Goo Gone」などの粘着剤除去剤を少量使うとすっきり落ちます。
よくあるトラブル3:十分な厚みがなく全体が剥がれてしまう
解決策: 最低でも4〜6層は必要です。薄すぎると剥がすときに全体が破れてしまいます。この場合は一度すべて剥がして、より多くの層を重ねましょう。
経年劣化した場合
施工から数年経過し、色褪せやひび割れが出てきた場合は、「Goo Gone」や「WD-40」などを使って古いPlasti Dipを完全に除去してから、再施工するのがおすすめです。古いPlasti Dipの上に重ね塗りすると、仕上がりが悪くなることがあります。
Plasti Dipの耐久性と維持管理
適切に施工したPlasti Dipは、驚くほど耐久性があります。私の車では1年以上経過しても、色褪せや剥がれはほとんどありません。
耐久性について
- 平均持続期間:2〜3年
- 紫外線や洗車にも強い
- 高圧洗浄機は避けた方が無難
- 手洗い洗車推奨(自動洗車機はブラシでPlasti Dipが剥がれることも)
アメリカンTips
アメリカでは「自分で洗車する」文化が根強いです。週末の朝、家族でドライブウェイで愛車を洗う光景はよく見かけます。手洗い洗車はPlasti Dipの寿命を延ばすだけでなく、愛車の状態もよく把握できるので一石二鳥です!
カーワックスとの相性
Plasti Dipにカーワックスを使用することは可能ですが、あまり効果はありません。ワックスではなく、Plasti Dip専用のグロス仕上げコーティング剤「Glossifier」を使うとより美しい光沢が得られます。
費用対効果:プロに頼むのと比べると?
アメリカでディーラーやカスタムショップにエンブレムのブラックアウトを依頼すると、施工費だけで$150〜300(約2万円〜4万円)かかることが一般的です。
対して、DIYだと:
- 材料費:$25〜40(日本では5,000〜8,000円程度)
- 作業時間:2〜3時間(初めての場合)
- 経験:価値のあるDIYスキル獲得
アメリカンTips
アメリカでは「時間よりもお金を節約する」考え方が強いです。日本だと「プロに任せる」選択肢を取るケースでも、アメリカでは「自分でやる」人が多いのは、この文化的背景があります。週末に家族や友人を招いてBBQをしながらDIYを楽しむ光景はとても「アメリカらしい」光景です。
環境面でのメリット
Plasti Dipは剥がすことができるため、車を売却する際に元の状態に戻せます。これは塗装の剥離剤を使用する必要がなく、環境にも優しいと言えるでしょう。
応用:エンブレム以外にも使える!
エンブレムに慣れてきたら、Plasti Dipは他の部分にも使えます:
ホイール全体のカラーチェンジ
車のホイール全体にPlasti Dipを吹き付けることで、ホイールの色を簡単に変更できます。黒や銀、ゴールドなど様々なカラーが可能です。
グリルのブラックアウト
フロントグリルをブラックアウトすることで、車のフロントフェイスがより引き締まった印象になります。
サイドミラーのカスタマイズ
ドアミラーをボディカラーと違う色にすることで、スポーティな印象を与えることができます。
小さなパーツのアクセント
ドアハンドル周りやインテリアの一部など、小さなパーツにアクセントカラーを入れることもできます。
注意点
広い面積に施工する場合は、より多くの層(8〜10層)と時間が必要です。また、ボディ全体への施工は非常に技術と経験が必要なため、初心者にはお勧めしません。
まとめ:アメリカで学んだDIYの楽しさ
Plasti Dipを使ったエンブレムのブラックアウトは、初心者でも挑戦しやすい車のカスタマイズ方法です。低コストで高い満足感が得られる上、失敗しても元に戻せるという安心感があります。
アメリカでの駐在生活で学んだのは、「自分でやってみる」勇気の大切さ。最初は不安でも、一歩踏み出してみると新しい発見や喜びがあります。
皆さんも週末のプロジェクトとして、ぜひチャレンジしてみてください!
Happy DIY Life in America!