米国駐在員が選ぶKAST:国境を越えた資産活用の新たな選択肢

日米を行き来する駐在員にとって、金融サービスの分断はしばしば大きな悩みの種となります。銀行口座の維持、為替レートの変動、資金移動の手数料など、様々な金融課題が私たち駐在員を待ち受けています。このブログでは、暗号資産の投資を通じて知ったKASTという新しい金融ツールが、これらの課題をどのように解決できるのか、実際の体験をもとに詳しく解説します。
- KASTは、米国駐在員が直面する国境を越えた金融課題を解決するステーブルコインベースの決済カード
- ドル資産を維持したまま、日米どちらでも簡単に決済可能
- 高いポイント還元率と、帰任後も継続して利用できる利便性
- 為替手数料の削減と、国際送金の代替としての活用法
1. 米国駐在員が直面する金融課題
駐在員として米国で生活を始めて以来、金融面での様々な課題に直面してきました。特に以下の点が大きな悩みでした:
給与は米ドルで受け取りながらも、日本の家族への送金や日本での支払いは円で行う必要があり、その都度為替レートの変動に悩まされました。米ドルから日本円への両替は常に数%の手数料がかかり、為替レートも必ずしも有利ではありません。
日本への帰任時、米国の銀行口座を維持するのは難しくなります。多くの銀行は非居住者の口座維持に厳しい条件を課したり、追加手数料を要求したりします。せっかく構築した米ドル資産を効率的に活用する手段が限られてしまいます。
米国で作成したクレジットカード(特にAMEXなどの高還元カード)は、米国住所がなくなると更新や維持が困難になります。米国の住所を失った瞬間から、それまで築いてきたポイントや特典が活用しづらくなるのです。
米国と日本の間で資金を移動させる際には、銀行送金で数千円〜1万円程度の手数料がかかり、着金までに数日を要することもあります。頻繁に資金移動が必要な駐在員にとって、これは大きな負担です。
2. KASTとは何か?
KASTは、元Circleの幹部が立ち上げ、Solanaブロックチェーンと連携して展開しているUSDC/USDT基盤の金融プラットフォームです。簡単に言えば、ステーブルコインを原資として使える国際VISAカードのシステムです。
KASTの主な特徴
- USDC、USDT、PYUSDなどのステーブルコインを直接チャージして使用可能
- 物理カードとバーチャルカードの両方が発行可能
- Apple PayやGoogle Payに対応
- カード種類によって最大15%の高いポイント還元率
- Solanaのステーキングによる追加報酬が得られる
- 世界中のVISA加盟店で利用可能
- 還元率:最大5%(2025年)
- SOLステーキング報酬:3.5~7% APY
- 特徴:バーチャルカード無料
- 対象:初めて試す方、気軽に利用したい方
- 還元率:最大10%(2025年)
- SOLステーキング報酬:7~14% APY
- 特徴:LED機能付き金属カード
- 費用:年1枚無料、追加は$250/枚
- 還元率:最大15%(2025年)
- SOLステーキング報酬:10.5~21% APY
- 特徴:24Kゴールド仕上げ
- 費用:年1枚無料、追加は$1,000/枚
3. 米国駐在員にとってのKAST最大のメリット
3-1. 国境を越えた継続利用が可能
KASTの最大の特長は、米国駐在が終わって日本に帰任した後も、同じカードをシームレスに利用できる点です。従来の米国発行のクレジットカードは、米国住所がなくなると更新や維持が難しくなります。しかしKASTは、暗号資産を基盤としているため、国境や居住地に関わらず継続して利用可能です。
日本に帰任後も、NetflixやAmazon.comなどの米国オンラインサービスへの支払いに苦労していましたが、KASTを使えばドル建てで直接支払いができるため、為替手数料の負担がなく、手続きも簡単です。従来は日本のクレジットカードで支払う場合、毎回の決済で為替変動と手数料が発生していました。
3-2. ドルステーブルコインによる為替リスクヘッジ
給与の一部を米ドルのままUSDCやUSDTとして保有することで、日本円と米ドルの為替変動リスクをヘッジできます。例えば、円安が進行している時期に日本円に両替せず、USDCとして保有しながらKASTカードで直接支払いに使用できるのは大きなメリットです。
多くの駐在員は、円高の時に米ドルから日本円に両替し、円安の時は両替を控えるという戦略を取りがちです。KASTを使えば、資産を米ドル建てで保持したまま、必要な時に必要な分だけ支払いに使えるため、為替タイミングを細かく調整する手間が省けます。
3-3. 送金手数料の大幅削減
日米間の送金には、通常の銀行送金で3,000円〜10,000円程度の手数料がかかります。一方、暗号資産の送金手数料は数百円程度と格段に安く、着金も数分で完了します。KASTに入金するためのUSDCやUSDT送金は、従来の国際送金に比べて約90%のコスト削減になる可能性があります。
送金方法 | 手数料(1,000ドル送金時) | 着金時間 | 為替レート |
---|---|---|---|
銀行送金 | 約3,000円〜10,000円 | 1~5営業日 | 銀行レート(市場より1~3%不利) |
送金専門サービス | 約1,000円〜5,000円 | 1~3営業日 | 中間レート(銀行より有利) |
USDC/USDT送金→KAST | 数百円程度 | 数分〜数十分 | 1:1(ドル建てのまま) |
3-4. 高い還元率とステーキング報酬
KASTは他の暗号資産カードと比較しても、特に高い還元率が魅力です。最大15%の還元に加え、Solanaをステーキングすることでさらに追加報酬が得られます。米国駐在員は一般的に支出が多いため、この高還元率のメリットは大きくなります。
月に5,000ドルの支出がある場合、Solana Cardの5%還元なら年間3,000ドル相当のポイント還元となります。さらにSOLステーキングで年7%のボーナスポイントが得られれば、さらに大きなリターンが期待できます。
4. 駐在員ライフサイクルに沿ったKAST活用法
赴任初期:米国での基盤確立時
米国での生活基盤を整える時期には、通常の米国銀行口座とクレジットカードの取得が優先されます。この時期にKASTアカウントを作成し、給与の一部をUSDCやUSDTに変換して保有し始めるのが良いでしょう。特に、日本への送金などを考慮する場合、従来の銀行送金よりも効率的な選択肢となります。
駐在期間中:資産の効率的運用
駐在期間が安定してきたら、米ドル給与の一部をUSDCやUSDTで保有しながら、KASTカードを日常的な支払いに活用することで、高いポイント還元を享受できます。また、Solanaをステーキングすることで追加報酬も得られます。この時期は、米国と日本の両方で支払いが発生することも多いため、KASTの国境を越えた決済能力が特に役立ちます。
一時帰国時:シームレスな決済体験
休暇で日本に一時帰国する際には、KASTカードをそのまま日本でも利用できるため、別途日本円に両替する必要が少なくなります。Apple PayやGoogle Payと連携させておけば、日本のコンビニや飲食店でも簡単に支払いができます。日本滞在中も米ドル資産をそのまま活用できる点が大きなメリットです。
帰任準備期:資産の移行戦略
日本への帰任が決まったら、米国の銀行口座やクレジットカードの整理が必要になります。この時期に、継続して利用したい米ドル資産をUSDCやUSDTに変換し、KASTを主要な決済手段として整備しておくことで、帰任後も米ドル資産を活用し続けることができます。
帰任後:継続的な米ドル資産活用
日本に帰任した後も、KASTカードを継続して利用することで、米国での投資利益や残存資産を日本での決済に活用できます。また、米国のオンラインサービスや定期支払いにもシームレスに対応できるため、帰任後の金融生活の移行をスムーズに進められます。
5. 従来の金融サービスとの比較
5-1. 米国発行クレジットカードとの比較
米国駐在員がよく利用するAMEXなどの高還元カードと比較すると、KASTには以下のような違いがあります:
比較項目 | 米国発行AMEX | KAST |
---|---|---|
還元率 | カテゴリによって1~5% | カード種類によって最大5~15% |
追加特典 | 空港ラウンジ、トラベル保険など | SOLステーキングによる追加報酬(最大21% APY) |
米国外での利用 | 海外取引手数料が発生する場合あり | ドル建てのまま世界中で使用可能 |
帰任後の継続利用 | 住所変更問題で困難なことが多い | 居住地に関わらず継続利用可能 |
入金方法 | 米ドル銀行口座からの支払い | USDC/USDTなどのステーブルコインをチャージ |
特に注目すべきは、米国AMEXカードは日本への帰任後、住所変更や更新が難しくなるケースが多い一方で、KASTは居住地に関わらず継続して利用できる点です。また、米国発行カードの中には海外利用手数料がないものもありますが、帰任後に日本の店舗で使う場合、それは「海外利用」となり手数料が発生することがあります。
5-2. 国際送金サービスとの比較
Wise(旧TransferWise)などの国際送金サービスと比較すると、KASTは以下の点で異なります:
比較項目 | Wiseなど国際送金サービス | KAST |
---|---|---|
使用目的 | 送金が主目的 | 保有と決済が主目的 |
手数料体系 | 送金額の0.5~1%程度 | 入金は低コスト、決済手数料なし(ドル建て) |
為替レート | 中間レート(銀行より有利) | ドル建てのまま(円建て決済時に約2~3%の手数料) |
利便性 | 送金のたびに手続きが必要 | 一度入金すれば継続的に利用可能 |
KASTは送金より保有と決済に特化しており、頻繁に資金を移動させる必要がない点が大きなメリットです。また、Wiseのようなサービスでは、送金のたびに手数料が発生しますが、KASTは入金後の決済に追加手数料がかからないため、頻繁に決済する場合に効率的です。
6. KASTの具体的な活用シナリオ
東京とニューヨークを毎月行き来するプロジェクトマネージャーの場合、両国での支出管理が大変です。KASTを使えば、米ドルステーブルコインを基盤として、どちらの国でも同じカードで支払いができます。為替変動に悩まされることなく、シームレスな資金管理が可能になります。
米国株に投資している駐在員が帰任する場合、米国の証券口座の維持や配当金の受け取りが課題になります。米国株からの配当金や売却益をUSDCに変換してKASTにチャージすれば、日本に帰国後も米ドル資産をそのまま活用できます。日本円に両替するタイミングを自分でコントロールできるため、為替が有利な時だけ両替するという戦略も取れます。
米国滞在中に契約したNetflix、Hulu、Amazon Primeなどのサービスを、帰国後も継続利用したい場合、日本のクレジットカードでは支払いが難しいケースがあります。KASTを使えば、米ドル建てで直接支払いができるため、サービスの継続がスムーズになります。また、米国限定コンテンツにアクセスしやすくなる側面もあります。
7. KASYを始める前に知っておくべき注意点
KASTの本人確認(KYC)プロセスでは、居住地の選択が必要です。現時点では日本はリストにありません。これについては、自らの法的リスク判断に基づいて、規約やQ&Aをよく読んだ上で検討することをお勧めします。
KASTポイントの価値(1ポイント=0.03ドル)は公称値であり、将来変わる可能性があります。ポイント価値の保証はないため、この点を理解した上で利用することが重要です。
ドル建ての決済では手数料がかかりませんが、円建ての請求に対する為替手数料は約2〜3%です。これは一般的なクレジットカードの海外決済手数料と同程度ですが、意識しておく必要があります。
全ての店舗でKASTカードが使えるわけではありません。特に高額決済や特定業種では利用できないケースがあります。まずは無料のバーチャルカードで自分の普段使いでの使用感を確認するのがおすすめです。
8. まとめ:米国駐在員にとってのKASTの価値
KASTは、単なる暗号資産決済カードではなく、国境を越えた資産活用を可能にする新たな金融ツールです。特に米国駐在員にとって、以下の点で大きな価値があります:
- 国境を越えた継続的な資産活用 – 帰任後も米ドル資産をシームレスに活用できる
- 為替リスクのヘッジ – 米ドルステーブルコインによる資産保全が可能
- 国際送金コストの削減 – 従来の銀行送金より大幅に低コスト
- 高いポイント還元率 – 一般的なクレジットカードを超える還元率
- ステーキング報酬 – 保有資産からの追加報酬
もちろん、新しいサービスであるがゆえの不確実性もありますが、無料のバーチャルカードから始めて、自分の生活スタイルに合うか試してみる価値は十分にあります。特に、日米間を行き来する機会が多い駐在員や、帰任後も米ドル資産を維持したい方にとって、KASTは新たな選択肢となるでしょう。
KASTのようなサービスは、従来の国際金融システムに新たな風を吹き込んでいます。私たち駐在員は常に国境を越えた金融ニーズを持っており、そのニーズに応える新しいサービスを積極的に試してみることで、より効率的な資産運用や生活の質の向上につながる可能性があります。まずは小額から試して、自分のライフスタイルにどのように組み込めるか検討してみてはいかがでしょうか。