はじめに
<私の実体験>
私は米国大学に留学していた際にマサチューセッツ州のドライバーズライセンスを取得しました。日本に帰国後も、念のためその免許証を大切に保管していたのですが、これが後に大きく役立つことになります。
なんと25年以上が経過した後、カリフォルニア州に駐在することになった際、この古い州ライセンスを持参したところ、筆記試験も路上運転テストも免除してもらえました!単に運が良かっただけかもしれませんが、別の州の免許証は期限が切れていても保管しておく価値があることを実感しました。
この経験から、アメリカの別の州で以前取得した運転免許証を持っている方は、カリフォルニア州でのライセンス取得手続きが格段に簡素化される可能性が高いとお伝えしたいと思います。
駐在員として赴任する際、または州をまたいで引っ越す場合、自動車免許の取得は避けて通れない手続きの一つです。カリフォルニアに移住した場合は、通常10日以内に現地の運転免許証に切り替える必要があります。大学時代の留学や過去の駐在経験で別の州のライセンスを持っている方は、この記事を参考にスムーズな切り替え手続きを行ってください。
カリフォルニア州での免許切り替え:基本的な流れ
カリフォルニア州に移住して、他の州の有効な運転免許証をお持ちの場合、比較的簡単な手続きで切り替えが可能です。以下に基本的な流れを紹介します:
DMVでの予約を取る
まず最初に、カリフォルニア州のDMV(Department of Motor Vehicles)でアポイントメントを取りましょう。DMVのウェブサイト(dmv.ca.gov)からオンラインで予約可能です。予約なしでも手続きはできますが、待ち時間が長くなる可能性が高いので、できるだけ事前予約をおすすめします。
必要書類の準備
DMVに訪問する前に、以下の書類を準備しましょう:
- 現在お持ちの他州の有効な運転免許証(期限が切れている場合でも持参すると良いでしょう)
- 身分証明書(パスポートなど)
- 社会保障番号(SSN)の証明書類
- カリフォルニア州の居住証明書類(2点必要)
- 申請料金(2025年現在約$40)
書類の提出と本人確認
DMVでは、「Driver License or Identification Card Application」(DL 44)という申請書に記入します。オンラインで事前に記入しておくこともできます。その後、写真撮影、指紋採取、視力検査が行われます。
筆記試験
他州の免許を持っていても、カリフォルニア州では通常筆記試験を受ける必要があります。この試験はカリフォルニアの交通法規に関するもので、36問中30問以上正解する必要があります。試験はオンラインで事前に受けることも可能になりました。ただし、私の経験のように、場合によっては免除される可能性もあります。
実技試験(通常は免除)
嬉しいことに、有効な他州の運転免許証を持っている場合、通常は実技試験(路上運転テスト)は免除されます。ただし、DMV担当者の判断によっては実技試験が必要となる場合もあります。
カリフォルニア州居住証明のための書類
カリフォルニア州の運転免許証を取得するためには、居住証明書類が必要です。REAL ID(連邦施設への入場や国内線搭乗に使える身分証)を希望する場合は2点、標準の免許証なら1点の居住証明書類が必要です。
居住証明として認められる主な書類:
- 住宅ローンや賃貸契約書
- 公共料金(電気、ガス、水道、インターネット、携帯電話など)の請求書
- 銀行やクレジットカードの明細書
- 保険(自動車、住宅、医療など)の証明書
- 勤務先からの書類(給与明細など)
- 学校関連の書類
- 医療関連の書類
- 税関連の書類
外国(日本)の運転免許証からの切り替え
日本の運転免許証をお持ちの場合は、少し手続きが異なります。外国の免許証から直接カリフォルニア州の免許に切り替える場合は、以下のステップが必要です:
- 日本の運転免許証を英訳したもの(JTB、JAFなどで取得可能)
- パスポート
- I-94フォーム(入国記録)、ビザ、その他の滞在資格を証明する書類
- 社会保障番号(SSN)または「SSNを持っていない」という宣誓
- カリフォルニア州の居住証明書類
- 筆記試験の合格
- 実技試験の合格(外国免許からの切り替えの場合は免除されません)
知っておくと便利なポイント
1. 筆記試験の対策
筆記試験は基本的な交通法規の知識があれば難しくありませんが、カリフォルニア州特有のルールもあります。DMVのウェブサイトで無料の練習問題が利用できますので、事前に試してみることをお勧めします。
2. オンラインサービスの活用
カリフォルニア州DMVでは多くの手続きをオンラインで完了できるようになっています。特に筆記試験はオンラインで受けることができるため、DMVでの待ち時間を短縮できます。
3. 翻訳サービスの活用
英語に不安がある場合、多くのDMVでは翻訳サービスを提供しています。日本語の対応も可能な場合がありますので、事前に確認しておくと安心です。
4. 国際免許について
短期滞在(1年未満)であれば、日本で取得した国際免許で運転することも可能です。ただし、カリフォルニア州の居住者となった場合は、10日以内にカリフォルニア州の免許を取得する必要があります。
5. REAL IDの検討
2025年以降、連邦施設への入場や国内線搭乗には、REAL ID対応の身分証明書が必要となります。運転免許証取得の際に、REAL IDを選択するかどうか検討しましょう。
まとめ
カリフォルニア州での運転免許証取得は、特に他の州の免許を持っている場合は比較的スムーズに進みます。実技試験が免除されるのは大きなメリットです。ただし、必要書類の準備や筆記試験の準備は怠らないようにしましょう。
また、日本からの駐在員で日本の免許をお持ちの方は、英訳された免許証と必要書類を揃えて、筆記試験と実技試験の準備をしっかりと行うことをお勧めします。
アメリカでの車社会を快適に過ごすためにも、正しい手順で運転免許を取得して、安全運転を心がけましょう!